【7月7日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)は6日、男子シングルス4回戦が行われ、気性の激しい「悪童」として名をはせている大会第26シードのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は、第21シードのリシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)に5-7、1-6、7-6、6-7で敗れた。

 ベスト8入りを逃したキリオスは、特に一方的な展開となった第2セットで「わざと負けた」のかと報道陣から問われると、皮肉交じりのコメントを連発し、否定しながら怒りを爆発させた。

 世界ランク29位のキリオスは、第2セットの第2ゲームをガスケにブレークされるといら立ちを募らせ、次のゲームでは「わざと負ける」かのように、相手のサーブとは反対方向に歩いたり、リターンを優しくネットに引っかけたりする場面があった。

 キリオスは、ゲームを捨てたのかと繰り返し尋ねられると、「プレーを続けていたか、そういうことか?」と答えた。

「ガスケのサーブをリターンしようなんて思っているのか?じゃあラケットを渡すから、彼のサーブを何度リターンできるか、みてみようじゃないか」

「彼のサーブは良すぎた。あのゲームで、彼は何本のサービスエースを決めた?1本?あのゲームでエースが1本だったかい?1本だった?」

「もちろん、努力したさ。それでも俺に罰金を科すつもりであれば、そうすればいい」

 キリオスは、今大会の1回戦でも審判に「汚い野郎」と暴言を吐いたほか、観客にラケットを投げつけたり、自分の振る舞いが周囲からどのようにみられようと構わないと主張するなど、反抗的な態度を取ることですっかり有名になっている。

 しかし、現在20歳のキリオスは、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やアンディ・マレー(Andy Murray、英国)といった先輩プレーヤーからは、大人になれば態度も改められるだろうと擁護され、温かい目で見守られている。

 オーストラリアの首都キャンベラ(Canberra)出身のキリオスは、報道陣に対し、「記事のせいで」自分は誤解を受けていると主張した。

「俺がこう書いてくれと言っても、その通りに書こうとしない」

 キリオスはまた、自身をテニス界の悪童だとは思っていないとし、「まったく違う。ただコート上で感情をむき出しにしているだけで、俺は『悪いやつ』でも何でもない」と語った。

「いろいろな事があって、テニスに集中できなくなることがある。とにかく出来事が多すぎる。それについて、あなたたちが知る必要はないけどね」

 ガスケが勝利を収めた試合では、キリオスがボールボーイを抱きしめる場面もみられた。

「ハグしたい気持ちだったんだと思う。みんな、ハグしたくなる時があるものだ」

「負けて悔しい。もっと自分に期待していたのに。みんなを失望させてしまった気がするよ」

(c)AFP