【7月6日 AFP】5日に行われた女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)決勝で、前回王者の日本は米国に2-5で敗れて王座を追われた。

 バンクーバー(Vancouver)のBCプレイス・スタジアム(BC Place Stadium)に詰めかけた5万3341人の観客の大部分が米国サポーターという中、日本は前半16分で4点を追いかける展開となった。

 米国サポーターの「USA、USA、USA」の合唱が響く中、佐々木則夫(Norio Sasaki)監督は、米国のカーリー・ロイド(Carli Lloyd)がもたらす危険に注意するよう叫んだが、その声は届かなかった。

 PK戦の末に優勝を飾った前回大会(FIFA Women's World Cup 2011)決勝で対戦した米国との再戦に駒を進めたなでしこジャパンは、大きな期待を抱いていた。

 日本は今大会唯一全勝で勝ち上がってきていたとはいえ、そのうち4試合は初出場のカメルーン、エクアドル、スイス、オランダとの対戦。準決勝のイングランド戦では、ひびが入りかけてきている様子がみえ、ローラ・バセット(Laura Bassett)のオウンゴールで勝ち上がりを決めていた。

 そんな日本は、米国が磨いてきたセットプレーになすすべがなかった。

 ロイドは前半3分、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)の右からの低いコーナーキックに合わせて先制点を挙げると、その2分後には日本の守備陣を混乱させたフリーキックに合わせ、セットプレーから2ゴールを記録した。

 佐々木監督は「これで日本のサッカーが終わったわけではない」と語気を強めた。

「彼女たちのことは大好きなので、もっともっと彼女たちとサッカーをやりたいという思いはある」

「負けたことに理由があることは間違いないが、それはしっかりと今後、冷静に分析していく」

「誇りを持ってこのステージまで選手たちは頑張ってきた」

「諦めてしまって、また大量点という傾向もあったかもしれない」

 また佐々木監督は、選手たちに危険を察知する力がなかったことの責任は自分にあるとの考えを述べた。

「ちょっと、もたつきというものがあった。采配するというよりも、選手たちが感じながら対応しなければならない。そういう能力が必要だった。そこをもっとわれわれが成長させなければならなかった。その責任は僕にあると思います」

(c)AFP