【7月5日 AFP】2015ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)は4日、第1ステージ(ユトレヒト、13.8キロメートル、個人タイムトライアル)が行われ、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のローハン・デニス(Rohan Dennis、オーストラリア)がステージ優勝を飾った。

 25歳のデニスは、熱波に襲われたユトレヒト(Utrecht)の過酷な暑さをものともせず、13.8キロメートルのコースを14分56秒で走り抜け、ツールのタイムトライアルの平均時速で最速記録を更新した。

 参加選手中、ただ1人15分を切ったデニスは、時速55.446キロメートルと最高平均時速を記録した。クリス・ボードマン(Chris Boardman)氏が21年前に出したこれまでの最高記録は、今回の半分程度の長さのコースで作ったものだった。

 それよりも重要なことに、デニスはこれでマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)をまとって第2ステージを走行する権利を手にしている。同ステージはユトレヒトからゼーランド(Zeeland)への166キロで争われる。

 デニスは、「しばらく勝ててなかったけど、その状況を打破できた。しかも、これ以上ない形でね」とコメントした。

 デニスは大会開幕前、今季はこの日のタイムトライアルにすべてを賭けてトレーニングを積んできており、勝てないはずがないと、「競技人生で最高の一日」になるはずだと語っていた。

 そしてデニスは言葉通りの走りを見せ、世界選手権のタイムトライアルを3度制しているエティックス・クイックステップ(Etixx-Quick Step)のトニー・マルティン(Tony Martin、ドイツ)に5秒差、同じく優勝4度のトレック・ファクトリー・レーシング(Trek Factory Racing)のファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara、スイス)を6秒差で退けた。

 一方、総合優勝を争うとされる「4強」の中では、前年覇者のアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)が15分39秒と驚きの好タイムを出し、22位に入った。

 スカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は39位に入ったものの、残る2人、ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)を制したティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)とモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は、ニバリにそれぞれ15秒、18秒とやや差をつけられた。

 また、アフリカのチームとして歴史的なツール初参戦を果たしたMTNクベカ(MTN-Qhubeka)からは、アフリカ出身の黒人選手としてはツール初走行を果たしたダニエル・テクレハイマノ(Daniel Teklehaimanot)とメルハウィ・クドゥス(Merhawi Kudus)の2人が立派なタイムを残している。

 テクレハイマノは16分30秒で出場198選手中146位に、クドゥスは16分47秒で同175位に入った。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN