【7月3日 AFP】第2次世界大戦(World War II)直前にユダヤ人の子どもたち669人を旧チェコスロバキア(現チェコ)のプラハ(Prague)から脱出させ、ナチス・ドイツ(Nazis)の魔の手から救った英国人ニコラス・ウィントン(Nicholas Winton)氏が1日、106歳で死去した。家族によると、ロンドン(London)西郊スラウ(Slough)の病院で、眠っている間に息を引き取ったという。

 ウィントン氏はロンドンでドイツ系ユダヤ人を両親として生まれた。ロンドン証券取引所(London Stock Exchange)の職員として既にナチスの影響が及んでいたチェコスロバキアを訪れた1939年、特別列車を手配してユダヤ人を中心とする子ども669人を英国に避難させ、強制収容所に送られる運命から救った。同年9月3日にもさらに250人の子どもを避難させる手筈だったが、計画実行当日に英国がナチスドイツに宣戦布告したため国境は閉鎖され、一人も助けることはできなかったという。

 ウィントン氏は、第2次世界大戦中にポーランドで多数のユダヤ人を救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラー(Oskar Schindler)氏になぞらえて「英国のシンドラー(English Schindler)」と呼ばれていた。2003年にナイトを受勲し、チェコの人々からはノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)にとの声も上がっていた。(c)AFP