【7月3日 AFP】チュニジア当局は2日までに、先月末スース(Sousse)郊外のビーチリゾートで38人が殺害された襲撃事件に関与した容疑で8人を逮捕した。同日には、犠牲になった英国人のうちさらに多くの遺体が飛行機で搬送され、無言の帰国をした。

 先月26日、ポートエルカンタウィ(Port el Kantaoui)のリゾートで発生したこの事件では、学生のセイフッディン・レズギ(Seifeddine Rezgui)容疑者(23)がビーチパラソルの陰からカラシニコフ(Kalashnikov)自動小銃を取り出して乱射、英国人30人を含む外国人観光客38人が死亡した。

 チュニジア史上最悪の虐殺事件となり、また英国にとっては2005年7月のロンドン(London)同時爆破テロ以降最も多い犠牲者を出した事件となった。

 事件後に設置された危機対応グループを率いるカメル・ジャンドゥビ(Kamel Jendoubi)大臣は記者会見で、「事件の実行に直接関与した女1人を含む8人が逮捕された」と発表し、「治安当局はこの事件を起こしたネットワークを突き止め、壊滅させた」と述べた。各容疑者が果たしたとみられる役割については明らかにしなかった。

 この事件では英国人の他に、アイルランド人3人、ドイツ人2人、ベルギー人、ポルトガル人、ロシア人がそれぞれ1人ずつ犠牲になった。2011年にジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領の独裁政権が崩壊、その後治安悪化に苦しむチュニジアでは、国内総生産(GDP)の約7%を占める観光業が打撃を受けるのではという懸念が広がっている。(c)AFP/Serene Assir