【7月3日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)は2日、男子シングルス2回戦が行われ、大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は6-4、6-2、6-2で米国のサム・キュエリー(Sam Querrey)に勝利し、3回戦に進出した。

 大会7度の制覇を誇るフェデラーは、32本のウイナーを決めるとアンフォーストエラーをわずか10に抑え、世界ランク36位のキュエリーを86分で退けた。キュエリーはこれでフェデラー戦を3戦全敗としており、いまだ1セットも手にできていない。

 フェデラーは16強入りをかけ、3回戦でオーストラリアのサム・グロス(Sam Groth)と対戦する。

 第2セットでフェデラーは、センターコートでの魔法の瞬間に新たなレパートリーを加えた。

 ベースラインに沿って駆けたフェデラーはラケットを両足の間に通してリターンすると、ボールは一瞬立ち止まったキュエリーの頭上を越える見事なロブショットになった。

 観客も息をのむ大胆不敵な技に、キュエリーはネットの向こう側に回ってフェデラーとハイタッチを交わしたい気分になったと明かした。

「彼にはオーラが有る。今日は股抜きショットを決めたじゃないか。素晴らしいショットを決めてくる。出向いてハイタッチしたくなるようなときもあるよ」

 魔法の瞬間に対するキュエリーの反応を、フェデラーは面白がるとともに喜んだ。

「彼がそう言ったのかい?」と笑みをこぼしたフェデラーは、「オーケー、それはすごいね。やってくれて構わない。僕は喜んでするよ」

 一方的な展開となっていた試合で、観客を楽しませるために股抜きショットを選んだのかと問われたフェデラーは、ただただ無意識の反応だったと明かした。

「あっという間の出来事なんだ。さぁ、どれが最高かな?なんて、スーパースローでできるわけじゃない。いくつものことが頭をよぎるんだ」

「しっかりと止まって打つよりも、股抜きが断然楽だった」

「股抜きは短くなるか、高くなってしまうか自分でも確証は持てない。ラッキーだったね。完璧に打てた」

(c)AFP