【7月2日 AFP】中国では、国が豊かになると同時に人々の身長は伸び、体重も増加しているが、そのペースでは体重の増加が身長の伸びを上回っているという。中国国家衛生計画出産委員会(National Health and Family Planning Commission)が報告書で明らかにした。

 国民の栄養摂取と慢性疾患について調べた報告書によると、2012年の成人の肥満率は、過去10年で倍増し、9.6%となった。また、過体重の国民は、同7.1%から11.9%に増加している。

 一方で、6~17歳における肥満率は、同2.1%から6.4%へと3倍以上に急増。過体重の割合も全体の約3分の1にあたる30.1%だった。

 同委員会の副委員長を務める王国強(Wang Guoqiang)氏は、記者会見で「食事内容の変化に伴い、過体重や肥満の問題が急増した」と指摘。喫煙やアルコール飲料の過剰摂取、運動不足、塩分や油分の取り過ぎといった不健康な食生活は、慢性疾患の発症や悪化を招く主なリスク因子となり、また経済社会の急速な発展や変化によって生じる国民生活や労働環境への圧力も健康に影響を及ぼしていると説明した。

 同委員会がインターネットに掲載した資料によれば、2012年の男性の平均体重は66.2キロで、過去10年で3.5キロ増えた。女性では、平均2.9キロ増の57.3キロだった。平均身長では、男性が167.1センチ、女性が155.8センチで、過去10年で男性が0.4センチ、女性が0.7センチだけ伸びている。

 英医学専門誌ランセット(Lancet)に昨年掲載された別の報告書によると、中国での毎年の死者数のうち約36万3000人に高い体格指数(BMI)の数値が示されているという。BMIは、循環器系疾患や糖尿病など慢性疾患の指標となる。(c)AFP