【7月2日 AFP】(記事更新)女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)の準決勝で、前回覇者の日本に1-2で敗れたイングランドのマーク・サンプソン(Mark Sampson)監督は1日、決勝進出まであと一歩に迫った選手たちを誇りに思うと話し、特に終了間際にオウンゴールを献上してしまったローラ・バセット(Laura Bassett)をたたえた。

 エドモントン(Edmonton)のコモンウェルス・スタジアム(Commonwealth Stadium)で行われた準決勝は、両チームとも前半にPKでそれぞれ1得点ずつを挙げたものの、その後は均衡が続き、このまま延長戦に突入するかにみえた。

 しかし、迎えた後半ロスタイム2分、川澄奈穂美(Nahomi Kawasumi)がゴール前に絶妙なクロスを入れると、ボールは必死に体を伸ばしてカットに入ったバセットの足に当たり、クロスバーに当たってゴールラインを割った。

 試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間、バセットは泣き崩れ、サンプソン監督らになぐさめられながらピッチを後にした。そのほかの選手も、残酷な結末に立ち尽くしたり、涙を流したりするしかなかった。

 サンプソン監督は試合後、「泣いてもいいんだ。選手たちはピッチにすべてを置いてきた」とコメントした。

「ローラ・バセットは、今大会のイングランドを象徴する選手だった。勇敢で、力強く…チームを一つにまとめていた」

「最後は残酷な結果になってしまったが、英雄としてみんなの記憶に残るはずだ」

 サンプソン監督はまた、試合を振り返り、「厳しい結果だ。どうやって受け止めていいのか」と語っている。

「ボールがゴールラインを越えた瞬間、チーム全員が崩れ落ちた。しかし、われわれが真っ先にしなくてはならないのは、自分の選手を気遣うことだった」

「ローラもわれわれの一員、チームの一員だ。だからみんなで彼女を囲んで慰めた。泣かせてあげて、そして君を心から誇りに思うと伝えた。ローラがいなければ、準決勝までは来られなかったのだから」

(c)AFP