【7月1日 AFP】2015年上半期に地中海(Mediterranean)を渡る危険な航海で欧州に渡った難民・移民の数が過去最高の13万7000人に上ったと、国連難民高等弁務官事務所(UN Refugee AgencyUNHCR)が1日、発表した。そのほとんどが戦争・紛争や迫害から逃れてきた人たちだ。

 UNHCRは報告書のなかで、2015年1~6月の半年間に地中海を横断した難民・移民の数は前年同期から83%も増加しており「欧州は歴史的な比率の海上難民危機の最中にある」と警告した。

 今年に地中海からイタリアやギリシャに漂着した人のうち3分の1は戦闘下にあるシリアからの難民だった。また、暴力行為が多発するアフガニスタンと独裁政権による人権侵害が続くエリトリアを逃れてきた人たちが、それぞれ全体の12%を占めていた。

 比較的海が穏やかな夏季を迎えて、地中海を横断する人たちがさらに増える恐れがある。(c)AFP