【6月28日 AFP】台湾・新北市(New Taipei City)のテーマパーク「八仙海岸八仙水上楽園(Formosa Fun Coast)」で27日夜発生した爆発で、イベント来場者らが火の玉にのみ込まれた後の現場の惨状が、目撃者らの発言で明らかになった。

 爆発発生当時の動画には、来場者らに吹き付けられた粉が突然引火し、会場が炎に包まれる様子が生々しく捉えられている。来場者が水着など薄着だったことから大勢の人々が重度のやけどを負い、惨事を免れた人々によって搬送された。

 軽傷を負った男子学生は現場が「地獄」だったと述べ、「あたりは血だらけで、痛みを和らげようとする人達が飛び込んだプールも血に染まっていた」と記者団に語った。男子学生と一緒にいた女性も、動揺を隠せない様子で「皮膚がはがれた人々を大勢見た」と話した。

 ある父親はイベントに参加した娘が重度の「3度」のやけどを負い、集中治療室で手当てを受けていることを明らかにして泣き崩れた。父親は途方に暮れながら「娘が参加していたのは音楽コンサートだった。そんな場所でどうして爆発が起こるのか」と涙声で語り、身体の80%余りの皮膚がやけどで損傷したと述べた。父親はまた、当局からの連絡が何もなく、支援の申し入れもないと厳しく非難した。

 当局が28日発表したところによると、負傷者は500人を上回っており、このうち約200人は重傷。保健当局は、負傷者の具体的な年齢はまだ不明であるものの、ほぼ全員が「20代以下」との見解を示した。(c)AFP/Benjamin YEH