【6月26日 AFP】米国で黒人教会襲撃事件をきっかけに南北戦争時の「南部連合旗」が論争の的となる中、米首都にあるワシントン大聖堂(Washington National Cathedral)の大司祭が25日、問題の旗をモチーフの1つに使ったステンドグラス2枚を聖堂から撤去するべきだと発言した。

 米国聖公会のギャリー・ホール(Gary Hall)大司祭は、南北戦争時の南軍のロバート・E・ リー(Robert E. Lee)将軍とストーンウォール・ジャクソン(Stonewall Jackson)将軍を描いたステンドグラスについて、もはや時代にそぐわないと指摘。もともと南北の和解の象徴として1953年に設置されたものだが「2015年の今、この2人の生涯と彼らが掲げた南部連合旗をたたえる行為は、特に黒人の兄弟姉妹たちにとっては癒やしや和解にはつながらない」「撤去するときが来た」と述べた。

 米国では、サウスカロライナ(South Carolina)州チャールストン(Charleston)の黒人教会を白人至上主義者の男が襲撃し9人が死亡した事件を受け、南部連合旗を南部の伝統を示す象徴と見るか、人種差別と白人至上主義のシンボルとみるか、議論が再燃している。(c)AFP