【6月21日 AFP】インド西部の都市ムンバイ(Mumbai)で密造酒を飲んだ住民が相次いで死亡した事件で、地元警察は20日、死者数が90人に達したと発表した。現在も40人以上が病院で治療を受けており、最終的な死者数は100人を超える恐れがあるという。

 事件は、密造されたとみられる地酒を飲んだ住民が17日朝に体調を崩し始めたもので、警察によれば20日にも新たな患者が病院に運び込まれたという。

 これまでに5人が、ムンバイ市内のスラム街マラドウエスト(Malad West)で密造酒を製造・販売した容疑で逮捕された。また、同地の巡回を担当する警察官8人が「職務怠慢」で停職処分となっている。

 ムンバイ警察では、今回の犠牲者らが飲んだ酒に高濃度のメタノールが含まれていた可能性があるとみて捜査している。不凍剤や燃料として使われるメタノールは毒性が強いが、アルコール分を安く簡単に増量する狙いで密造酒に混入されることが多い。

 インドでは密造した酒が頻繁に「地酒」として出回り、広く流通している。安いものでは250ミリリットル瓶が1ドル(約120円)以下で売られており、飲んだ人が中毒死する事件も多発している。ただ、そうした事件は地方の貧しい村で起きるのが一般的で、ムンバイのような大都市ではまれだ。(c)AFP