【6月16日 AFP】オーストラリア当局がインドネシアからの難民船を追い返すために密航業者らに金銭を渡していた疑惑が報じられている件について、トニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は16日、当局は「法の範囲内で」密航船取り締まりに必要なあらゆる手段を尽くしていると述べた。

 今年5月末、難民船をインドネシアへ引き返させるために、豪当局がインドネシア人乗組員6人に各5000ドル(約60万円)を支払ったとする報道について、豪政府は、情報運用についてはコメントしないとして、肯定も否定もしていない。

 一方、インドネシアのユスフ・カラ(Jusuf Kalla)副大統領は16日、密航業者に対する金銭の支払いは「買収だ」として豪政府に回答を迫った。

 同日の現地紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)は、豪情報当局から密航に関与する人物への支払いが、前労働党政権の期間を含め少なくとも4年にわたって続いていたとする複数の情報筋の話を伝えた。(c)AFP