【6月16日 AFP】ヨーロッパ競技大会(2015 European Games)では15日、シンクロナイズドスイミングのデュエットで、オーストリアの三つ子の2姉妹アンナ・マリア・アレクサンドリ(Anna-Maria Alexandri)とエイリニ・マリナ・アレクサンドリ(Eirini-Marina Alexandri)が2位に入賞したが、姉妹は獲得した銀メダルを、バスにひかれて昏睡(こんすい)状態に置かれているチームメートにささげると話し、会場を涙で包んだ。

 姉妹と同じチームの一員だった15歳のバネッサ・サヒノビッチ(Vanessa Sahinovic)は、事故に遭った後にオーストリアで長時間の手術を受け、人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれている。この事故では、他にも2人の代表選手が負傷した。

 サヒノビッチは、脊椎、臀部(でんぶ)、大腿(だいたい)部にも傷を負い、再び手術を受けることになるという。

 アレクサンドリ姉妹は、デュエットの表彰式で「これはバネッサに」と話しながらメダルを大きく振りかざした。

 17歳の姉妹は、チームの控えである三つ子の長女と共に号泣し、コーチと抱き合った。

 銀メダルを手にしたアレクサンドリ姉妹は、事故後にチームやコーチ陣と話し合い、出場を決断したのは正しかったと思い返したことだろう。

 エイリニ・マリナは、「事故から大変な時間を過ごしました。世界中からメッセージを受け取りました」とすると、「銀メダルを取れるとは思っていなかったので、本当に驚いています」とコメントした。

「事故のことは考えないようにしていましたが、予選では特に大変でした」

「今は本当に感激して、誇りに思っています」

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