【6月13日 AFP】米公民権運動家で、自らの家系の一部はアフリカ系だと称してきたレイチェル・ドレザル(Rachel Dolezal)氏(37)の疎遠だった両親が、実際にはドレザル氏は白人で、身元に関して嘘をついていると非難し、物議を醸している。

 黒い巻き毛と褐色の肌のドレザル氏は、ワシントン(Washington)州スポケーン(Spokane)のアフリカ系米国人社会の中で公民権運動家としてキャリアを築き、全米黒人地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored PeopleNAACP)の同市支部長に上り詰めた。また同市の警察のために独立した調停人も務めている。

 これらの地位のうち、アフリカ系であることを必要条件とするものはないが、現地紙によれば、ドレザル氏は申請書などで自らの人種について、アフリカ系、インド系、白人の血を引いていると称してきた。

 しかし、ドレザル氏の両親であるローレンス・ドレザル(Lawrence Dolezal)さんとルーサン・ドレザル(Ruthanne Dolezal)さん夫妻は、現地メディアにドレザル氏の出生証明書や、金髪で肌が白かった幼いころの同氏の写真を示し、娘は自分たちと同じく白人だと語った。また両親は、12日に放映された米CNNテレビのインタビューで、娘の行いに悲しみ傷ついていると述べた。

 アフリカ系の子ども4人を養子としているドレザル氏の両親によれば、同氏はいつも民族性と多様性の問題に関心を持っていた。またドレザル氏の経歴によると、同氏は歴史的にアフリカ系の学生が多い首都ワシントン(Washington D.C.)のハワード大学(Howard University)でも学んでいる。

 両親は娘からの連絡が途絶え、関係が疎遠になった後の2007年ごろに新聞で、ドレザル氏が自分はアフリカ系だと名乗っていることを知ったという。母親のルーサンさんは「あの子は自分のイメージが崩れるのを嫌がり、私たちと一緒にいるところを見られたくないんだわ」と話している。(c)AFP