【6月12日 AFP】パキスタン当局は11日、子ども支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が同国の国益に反する活動を行っていたとして、首都イスラマバード(Islamabad)にある同組織の事務所を閉鎖した。警察当局と政府高官らが明らかにした。

 AFPの取材に応じた政府高官によると、内務省が同組織の事務所閉鎖と外国人職員全員の15日以内の送還を命じた。パキスタン政府からの公式発表は出ていないが、ある内務省高官はAFPに同組織が「反パキスタン活動」に関与していたと語った。

 一方、セーブ・ザ・チルドレン広報は、事務所は何の警告もなく閉鎖されたと説明。「この措置に強く抗議し、最大級の懸念を表明する」と述べ、パキスタン内に勤務する外国人スタッフはいないと付け加えた。

 パキスタン情報当局は2012年に公表した報告書で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者だったウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の追跡のために米中央情報局(CIA)が行った偽の予防接種プログラムに協力したとされるパキスタン人医師のシャキル・アフリディ(Shakeel Afridi)氏と、セーブ・ザ・チルドレンとのつながりを指摘していた。

 この報告を受け、同組織の外国人スタッフは全員、国外への退去を強いられていた。現在は1200人のパキスタン人職員が、子どもたちの保健、教育、栄養などのプロジェクトを行っている。セーブ・ザ・チルドレン側は、CIAやアフリディ医師との関係を一貫して否定している。(c)AFP