【6月12日 AFP】米ジャズミュージシャンで作曲家のオーネット・コールマン(Ornette Coleman)さん(85)が11日、ニューヨーク(New York)で死去した。

 コールマンさんの広報担当者、ケン・ワインスタイン(Ken Weinstein)氏によると心不全が原因という。

 コールマンさんは1959年のアルバム「ジャズ来るべきもの(The Shape of Jazz to Come)」で、伝統的な演奏スタイルと決別。当初、その斬新な演奏スタイルに対する評価は二分したが、米サックス奏者ジョン・コルトレーン(John Coltrane)と共に、いわゆる「フリージャズ」を牽引した。フリージャズでは、ハーモニーを基本とする伝統的な構造を解体し、より自由な表現が可能となった。

 アルトサックスの演奏者として最も有名なコールマンさんは、ジャズが必要としていることは「今までよりもさらにフィーリングを表現する」ことで、コードにのっとった従来の構成には限度があり、不自然だと語っていた。そして、ジャズは人と人とのコミュニケーションのひとつの形態であるべきだと主張した。

 1997年に行われた仏思想家ジャック・デリダ(Jacques Derrida)氏とのインタビューでは、「つまり、2、3人で、誰かが目立ったり、リードしたりすることなく、音を通して会話をするんだ」と述べていた。(c)AFP/Shaun TANDON