■鳥類への進化の謎解く鍵となるか

 恐竜の骨に残る有機物質の残留物は以前にも他の研究者らが発見していたが、それは格別に保存状態の良い化石からであり、そうした化石は非常に希少だ。また、タンパク分子は400万年を超えて残存できないと、これまで長年考えられていた。

 研究チームは、今回見つかった古代の軟組織をエミューの血液サンプルと比較し、興味深い「類似点」を発見した。

 恐竜は現生鳥類の遠い祖先で、変温動物の爬虫(はちゅう)類から代謝速度が速い恒温動物の鳥類がいつどのようにして誕生したのかが、この種の研究によって解明されるに違いないと科学者らは期待している。

 脊椎動物では、血液細胞が小さいほど、代謝速度は速くなるとベルタッツォ氏は指摘する。「多くの異なる種類の恐竜の化石内で血液細胞を発見できれば、細胞の大きさの範囲によって、恐竜が恒温動物になった時期に関する独立した一連の証拠が得られるかもしれない」と同氏は話している。(c)AFP/Mariette LE ROUX