【6月9日 AFP】マレーシア当局は8日、キナバル山(Mount Kinabalu、4095メートル)で全裸になり放尿した疑いで、欧州人の男(38)を逮捕した。地元メディアが報じた。同国では、この行為が精霊の怒りを買い、先週発生した地震の原因になったという意見も出ている。

 現地紙ザ・スター(The Star)電子版が伝えた地元警察幹部の話によると、男はボルネオ島サバ(Sabah)州の州都コタキナバル(Kota Kinabalu)で、公的不法妨害容疑で逮捕された。マレーシアの法律では、この種の犯罪行為には罰金400リンギット(約1万3000円)が科される。

 同紙によれば、男は先月30日にキナバル山の頂上付近で全裸になり写真を撮っていた10人の外国人観光客の一人で、フィリピンに逃亡しようとしていたところを市内の空港で逮捕された。ほかの9人の所在については今のところは不明。

 世界遺産に登録され、登山客にも人気のあるキナバル山は、サバ州の先住民カダザン・ドゥスン(Kadazan Dusun)の間で精霊が宿っている聖地とみなされており、この山で撮影されインターネットに投稿された全裸写真は多くのマレーシア人の怒りを買っていた。

 キナバル山近くで5日にマグニチュード(M)6.0の地震が発生し、がけ崩れなどを引き起こした際、頂上には150人以上の登山客がいた。死者はこれまでに16人に上り、依然として2人が行方不明になっている。

 マレーシアのソーシャルメディアのユーザーやサバ州当局の一部からは、キナバル山で外国人観光客が全裸になったことが精霊の怒りを招き、地震を引き起こしたのではないかという声が上がっていた。(c)AFP