【6月4日 AFP】オーストラリアの2022年W杯(2022 World Cup)招致に関する汚職疑惑で、同国の警察が4日、捜査に乗り出したことを明かした。

 オーストラリア・サッカー連盟(FFA)のフランク・ローウィー(Frank Lowy)会長は3日、公開書簡の中で、カタールが開催権を獲得して議論を呼んだ22年のW杯招致争いは、「クリーンではない」とし、当局に自身の知るところを共有したと明かした。また同会長は、国際サッカー連盟(FIFA)の元副会長および、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)元会長のジャック・ワーナー(Jack Warner)氏を泥棒と糾弾した。

 オーストラリア連邦警察(Australian Federal PoliceAFP)は、「現在、オーストラリア・サッカー連盟からFIFAへの公金の不正支出の申し立てを調査している」と声明を発表した。

 ワーナー氏は、22年大会の招致活動の中で50万豪ドル(約4800万円)を私的に流用したとCONCACAFが2013年に発表した不正報告書の中で記されている。

 ローウィー会長は、CONCACAFがワーナー氏の地元トリニダード・トバゴの中核研究拠点への400万豪ドル(約3億8000万円)の寄付を求めたものの、FFAとオーストラリア招致委員会は50万豪ドルを申し出たという。この寄付金はCONCACAFに渡ったものの、最終的にワーナー氏が「不正を働き、公金を横領した」とローウィー会長は記している。

 ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の辞任にまでつながった、FIFAを揺るがす汚職疑惑が発端となり、4000万豪ドル(約38億円)を費やしたもののわずか1票の獲得にとどまったオーストラリアのW杯招致活動に関する捜査は、活発化している。

 ローウィー会長は続けて、「われわれは意図した目的に使われていないことを理由に、CONCACAFに返金を求めた。FIFAからは、捜査の完了を待つよう忠告された。捜査は継続中である」としている。

 米国当局とスイス当局は、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)と22年W杯の開催地決定についても捜査をしている。(c)AFP