【5月30日 AFP】領有権をめぐる緊張が続く南シナ海(South China Sea)で中国が建設を進めている人工島の1つに砲撃装置2基を配備したことがわかり、南シナ海における中国の軍備強化を示唆する動きとして、米政府は懸念を示している。

 米国防総省のスティーブン・ウォレン(Steven Warren)報道官は29日の記者会見で、南シナ海で中国が建設する人工島の1つに兵器の存在を確認したことを明らかにし、「これらの島々の軍事化はわれわれが反対するものだ」と語った。

 匿名の国防総省高官はAFPに、1か月ほど前に偵察機が撮影した画像で、南シナ海の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)にある中国の人工島に移動式の砲撃装置2基が写っていたことを明らかにした。

 砲撃装置はその後、移動されたとみられ安全保障上の脅威はなかったものの、この兵器が配備されていた人工島はベトナムが領有を主張する海域にあることから、中国の大規模な人工島建設は軍事目的との米政府の懸念を強調させるものとなった。(c)AFP/Dan De Luce