【5月29日 AFP】米ペンシルベニア(Pennsylvania)州の検察当局は28日、米大学入試に絡んだ4年にわたる詐欺行為と共謀など35件の罪で、中国人15人を起訴したと発表した。

 デービッド・ヒックトン(David Hickton)連邦検事によると、起訴されたのは19~26歳の男7人、女5人。うち10人は米国在住で、ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburg)、マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)、カリフォルニア(California)州、ウィスコンシン(Wisconsin)州、オレゴン(Oregon)州、バージニア(Virginia)州などに居住している。これまでに逮捕されたのはマサチューセッツ州在住の1人で、9人に逮捕状が出ている。また、2人は中国にいるという。

 起訴状によると、15人は最高6000ドル(約74万円)と引き換えに、中国から郵送された偽造パスポートを使用して受験生になりすます組織的な替え玉受験を請け負っていたとされる。交渉はインターネットのメッセージサービスを通じて行われ、米国から写真を送って中国内で偽造パスポートを作成し、郵便か国際流通大手DHL(Deutsche Post DHL)で米国内のなりすまし担当に届けていた。15人は自ら替え玉を引き受けていたほか、仲介役などを担っていたという。

 検察当局は、替え玉受験が行われた大学は被害者だとして、特定を拒否した。不正が行われていたのは2011~15年だという。

 関係者は、留学生だけでなく米国人学生の中にも、こうした不正受験によって大学に入学した事例がある恐れを指摘している。公正で開かれた試験の実施を訴える米ボストンの団体「フェアテスト(Fair Test)」のロバート・シェーファー(Robert Schaeffer)氏はAFPの取材に対し、「米大学進学適性試験(SAT)」の不正受験がアジアで横行しているという「多くの報告がある」と述べた。特に中国、香港(Hong Kong)、韓国で不正が目立つという。(c)AFP/Jennie MATTHEW