【5月26日 AFP】南米エクアドル沖のガラパゴス諸島(Galapagos Islands)にあるウォルフ火山(Wolf Volcano、標高1707メートル)が25日早朝、噴火した。噴出した溶岩流で、世界でここだけに生息するピンク色のリクイグアナのコロニーを脅かす恐れが出ている。ウォルフ火山が最後に噴火したのは1982年。

 エクアドルのガラパゴス国立公園(Galapagos National Park)は、火山が噴火したイサベラ島(Isabela Island)に「ガラパゴスロージーイグアナ」の別名でも知られるこのピンク色のイグアナ(学名:Conolophus marthae)の「世界唯一の個体群」が存在するとして、ツイッター(Twitter)で注意喚起した。

 同公園当局はAFPの取材に語ったところによると、イグアナが今回の噴火によって危険にさらされているかどうかを直ちに確認するのは不可能だという。

 無人島のイサベラ島の近くを通る観光船から、噴火しているとの知らせを受けた当局は、その影響を調査するために同地域の上空を飛行した。

 公園当局が発表した写真には、噴火口から煙が空中に立ち上り、炎が噴き上げる中、赤く燃える溶岩流が火山の側面を流れる様子が捉えられていた。

 エクアドル領ガラパゴス諸島最大の島であるイサベラ島は、英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)による、驚異的な生物多様性の研究で有名になった。ここは、ダーウィンが自然淘汰(とうた)による進化論を発展させるのに極めて重要な役割を果たしている。

 エクアドル海岸沖約1000キロにあるガラパゴス諸島は、世界で最も火山活動が活発な地域の一つだ。赤道をまたぐイサベラ島には、ウォルフ火山の他に、ダーウィン火山(Darwin Volcano)、アルセド火山(Alcedo Volcano)、セロ・アスル火山(Cerro Azul Volcano)、シエラ・ネグラ火山(Sierra Negra Volcano)が存在する。(c)AFP