【5月25日 AFP】南仏カンヌ(Cannes)で開かれていた第68回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は24日、新生活を夢見る難民らの窮状に焦点を当てた『ディーパン(原題 Dheepan)』を最高賞のパルムドール(Palme d'Or)に選び、閉幕した。

 さまざまな危機を逃れようとする難民の流入問題に各国が直面している中、米国のジョエル・コーエン(Joel Coen)監督とイーサン・コーエン(Ethan Coen)監督が率いる審査員団は、コンペティション部門に出品された19作品の中から、フランスの著名監督ジャック・オディアール(Jacques Audiard)氏がスリランカの難民の現実を正面から描いた本作に最高の栄誉を与えた。

 第2位に相当するグランプリを獲得したのは、ハンガリー出身の新人、ラースロー・ネメシュ(Laszlo Nemes)監督の『サウルの息子(Son of Saul)』。第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)によるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)が行われたアウシュビッツ(Auschwitz)のガス室で起こった出来事を果敢に再現した。

 また第3位となる審査員賞には、ギリシャのヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)監督の『ロブスター(The Lobster)』が選ばれた。現代の愛をテーマにしたシュールなブラックコメディーで、出演はコリン・ファレル(Colin Farrell)やレイチェル・ワイズ(Rachel Weisz)ら。(c)AFP/Deborah COLE