【5月24日 AFP】米農業バイオ大手モンサント(Monsanto)と同社の遺伝子組み換え作物や農薬に反対するデモ「マーチ・アゲインスト・モンサント(March Against Monsanto)」が23日、米州、アフリカ、欧州にまたがる40か国以上の約400都市で一斉に行われ、大勢の人たちが街頭に繰り出した。

 オキュパイ(Occupy、占拠)運動によって始められたこのデモは今年で3回目。スイスではバーゼル(Basel)やモルジュ(Morges)でデモがあり、約2500人が参加した。モルジュにはモンサントの欧州・アフリカ・中東事業の拠点がある。

 また、パリ(Paris)では、グリーンピース(Greenpeace)をはじめとする環境保護団体や、環大西洋自由貿易地域(TAFTA)に反対する運動「ストップTAFTA(Stop TAFTA)」など約3000人が集結し、大きな市場シェアを占めるモンサントの除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」などに抗議の声を上げた。世界保健機関(WHO)は先日、ラウンドアップの主成分に「発がん性の恐れがある」とする報告書を発表している。

 モンサントが2003年に遺伝子組み換え綿を導入した西アフリカのブルキナファソでは約500人が首都ワガドゥグ(Ouagadougou)でデモ行進した。デモ参加者らは、遺伝子組み換え技術が健康に及ぼす影響について「独立研究」が実施できる形を目指し、モンサントの種子の作付けを10年間見合わせるよう要求した。

 このほかロサンゼルス(Los Angeles)、ブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janiero)、チリの首都サンティアゴ(Santiago)などでも同様のデモが行われた。モンサントは今のところ取材要請に応じていない。(c)AFP