【5月23日 AFP】米国務省は22日、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が在任中に公務に使用していた私的なメールアドレスの電子メール3万通のうち、2012年にリビアで発生した米領事館襲撃事件に関する296通を公開した。

 次期米大統領選挙に出馬表明をしているクリントン氏だが、国務長官在任中の2009~2013年に私的なサーバーとメールアドレスを使っていたことを認めたことから、新たな物議を醸している。

 クリントン前国務長官はまた、リビア・ベンガジ(Benghazi)で2012年9月11日に発生した米領事館襲撃事件への国務省の対応について、事件の詳細が隠蔽(いんぺい)されているとの疑惑の中、共和党員から非難を受けており、メールとの2つの問題が大統領選で批判の的となることは確実だ。

 国務省が同省ウェブサイト上で今回公表したクリントン氏の電子メールは、公開後すぐにアクセス過多によりサイトが停止した。

 電子メールのうちの何通かは、クリントン氏の長年の友人で同氏の補佐官を務めていたシドニー・ブルーメンソール(Sidney Blumenthal)氏からのもので、リビア政府高官と直接つながりのある「極秘の情報源」からの情報に関して言及していた。

 クリントン氏の電子メールが公開されたことについて、米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、「今日公開した電子メールは、リビアでの米領事館襲撃事件の本質的事実や、事件前、最中、そして後の出来事へのわれわれの理解を変えるものではない」とコメントした。

「利便性」のために自分のサーバーと電子メールアドレスを公務で利用していたと話しているクリントン氏は、在任中の私的なメールアドレスの電子メール3万通、5万5000ページ相当を米国務省に提出した。同氏は、国務長官としての職に関係あるものはすべて提出したと主張しており、他の私信はすべて処分したと話している。(c)AFP/Jo Biddle