【5月22日 AFP】北アフリカにあるスペイン海外領土セウタ(Ceuta)で今月初め、スーツケースの中に隠れて密入国しようとしたコートジボワール人の少年(8)が見つかった事件で、スペイン入国管理当局は21日、この少年に1年間の一時滞在許可を認めたことを明らかにした。スペイン領内に暮らす母親と再会できるよう取り計らうという。

 少年は7日、モロッコと接するセウタの国境検問所で、歩いて入国しようとした女(19)が持ち込んだスーツケースの中に隠れていた。手荷物検査のスキャナー画像で、手足を折り曲げて毛布に隠れた少年の存在が発覚。スーツケースには空気穴は作られていなかった。

 数時間後に国境を越えようとして逮捕された少年の父親は、スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)に少年のきょうだいと母親と一緒に合法的に暮らしている。だが一家は貧しく、少年の滞在許可は取得できなかったという。

 セウタのスペイン政府代表当局によると入国管理当局は、「特別な事情」を理由に、少年に1年間のスペイン滞在を許可した。少年は現在、未成年を対象とした移民施設に保護されているが、DNA鑑定でカナリア諸島に住む母親との親子関係が立証され次第、母親の下へ送られる。(c)AFP