【5月19日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)の米連邦巡回控訴裁判所(Circuit Court of Appeals)で18日、米映画『イノセンス・オブ・ムスリム(Innocence of Muslims)』の一部映像が、動画共有サイトユーチューブ(YouTube)で公開された問題の控訴審が開かれ、映像を削除するよう求めた下級審での判断が覆された。これを受けて、イスラム教徒の間には怒りの声が上がっている。

 一審は昨年、米グーグル(Google)傘下の動画共有サイト、ユーチューブに対して「冒涜的な映像」を削除するよう命じたが、第9巡回控訴裁判所の裁判官11人の判断はこれを覆すものとなった。

 原告の女優シンディー・リー・ガルシア(Cindy Lee Garcia)さんは、自身が映っている映像5秒間の著作権は自らにあり、許諾がない使用を止めるよう求める権利は十分にあると主張していた。

 訴状によると、問題の映像はガルシアさんが出演した別の作品から切り取ったもので、ガルシアさん扮(ふん)する登場人物の台詞がイスラム教を侮辱する言葉に置き換えられているという。

 同映画は全世界のイスラム教徒らの怒りを買い、関係者ら全員に対してファトゥワ(宗教令)の発令および死を求める声が上がっていた。

 裁判所は、ガルシアさんの置かれた状況に理解を示しつつも、「著作権をめぐる無理な訴えで、当事者の名の下に検閲を正当化することはできない」と説明している。(c)AFP