【5月18日 AFP】今月7日に行われた英総選挙の結果、新たな英下院では女性や同性愛者、少数民族出身の議員の比率が史上最高となり、これまでになく多様化が進んだ。

 改選により、下院における女性議員は、全650議員の3分の1近く(29%)の191人となった。女性議員は2005年の前々回の選挙では全体の20%を下回ったが、前回2010年の選挙では22%となり、着実に増えている。ただし、党によって女性議員の割合には開きがあり、中道左派の野党・労働党(Labour Party)では43%、スコットランド民族党(Scottish National PartySNP)では36%なのに対し、中道右派の与党・保守党(Conservative Party)では21%にとどまっている。

 黒人および少数民族出身の議員は今回42人を占め、全体における比率は前回選挙時の4.2%から6.6%に増加した。ただし、英国社会全体の人口構成比を反映するには、いまだ遠い状況にとどまっている。

 また、ゲイ(男性同性愛者)、レズビアン(女性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)であることを公言する議員は、2010年から6人増えて32人と、全議員の4.9%となった。こうした性的少数者は英国人口の5~7%とされており、議会での割合は人口構成比に近い割合になっている。英紙ガーディアン(Guardian)は先週の記事で「英国は世界で最もクイア(性的少数者を指す言葉)な議会を持つに至った」と論じた。(c)AFP