【5月18日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」はイラク最大の州、アンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)を完全制圧したが、一方で世界遺産であるシリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)の奪取はシリア軍によって阻止された。

 ラマディとパルミラの戦闘で、戦闘員と民間人合わせて数百人が死亡。イラクとシリアの両国で戦闘から避難している数百万の家族に、さらに数千の家族が加わった。

 ラマディの事実上の陥落は、ISによって昨年6月に奪われた土地を奪還するためにイラク軍が昨年開始したイラク全土での反攻の中で、最悪規模の後退となった。

 IS戦闘員らは自動車による自爆攻撃を繰り返して、すでにラマディの大半を制圧しており、アンバル州の政府庁舎に黒旗を掲げた。

 イラク軍の作戦司令部から撤退したある陸軍中佐はAFPの取材に「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語の略称)が主要な治安部隊の拠点の全てを完全に支配下に置いた」と語った。

 アンバル州知事の報道官兼補佐官、ムハナド・ハイムール(Muhannad Haimour)氏は「死傷者についてはまだ正確な数は不明だが、少なくとも民間人と兵士合わせて500人がこの2日間に死亡したと思われる」と述べた一方、ラマディが完全に陥落したわけではなく、一部地域では戦闘が続いていると語った。(c)AFP/Rana Moussaoui with Jean-Marc Mojon in Baghdad