【5月18日 AFP】アフリカ中部ブルンジのピエール・ヌクルンジザ(Pierre Nkurunziza)大統領が17日、クーデター未遂後に初めて姿を現し、同国の指導者として戻って来たという明確なメッセージを発した。

 首都ブジュンブラ(Bujumbura)中心部の大統領府で、青いブレザーとポロシャツ姿の同大統領は、報道関係者とにこやかに握手。短い声明を述べただけで、未遂に終わったクーデターについては触れなかった。

 ブルンジではヌクルンジザ大統領が3選を目指して大統領選に立候補する意向を示したことに抗議する激しいデモが数週間続き、死者も出ていた。13日には同大統領が隣国タンザニア訪問中に軍幹部の一団によるクーデターが発生。だがクーデター部隊は大統領側の部隊と激しい戦闘を繰り広げた末に放送局の制圧に失敗し、15日にクーデター側の幹部が失敗を認めた。クーデターを計画したとされる17人が16日に裁判所に出廷したが、首謀者と目される人物は逃走を続けている。

 ヌクルンジザ大統領は、クーデター未遂事件をあからさまに無視し、ソマリアの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系イスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)の脅威についてだけ発言した。同組織は、ソマリアのアフリカ連合(African Union)軍に部隊を派遣しているブルンジなどの国に対する攻撃を警告している。

 同大統領の側近の1人は、選挙管理委員会が、今月26日に予定されている議会選挙と来月26日に予定されている大統領選挙について、「延期を決定することがあり得る」と述べたが、同大統領が再選立候補の意図を変更したとの示唆はなかった。

 同側近は報道陣に対し、クーデター関係者について「誰も殺されることはない」とし、「一部は投降し、一部は治安部隊に拘束された。逃亡中の者は裁きを受けさせるべく警察と軍が追跡している。全員が裁きを受ける」と語った。(c)AFP/Esdras NDIKUMANA/Aymeric VINCENOT