■IS、古代都市パルミラの北部の大半を制圧

 英国に拠点を置く非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、ISは今月13日にシリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)に向けて進撃を開始。既にパルミラの北部の大半を制圧し、激しい戦闘になっているという。電話でAFPの取材に応じたシリアの古代文化財当局の責任者は、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているパルミラが破壊されるのではないかという「恐怖を感じている」と語った。

 イラク国内では、ISは15日にアンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)の政府施設を制圧したのに続き、ラマディ市内に残された最後の政府側陣地を包囲している。ISがラマディを制圧すれば、2014年6月の猛攻でISの手に落ちたニナワ(Nineveh)州の州都モスル(Mosul)に続き、イラクで最大の州と2番目に大きな州の州都が両方ともISに制圧されることになり、ISにとっては今年最大の戦果となる。

 地元当局者によると、増援がラマディなどアンバル州に送られているほか、イラク軍と米軍主導の有志国はこの地域のISの拠点を空爆している。(c)AFP/Maya Gebeily