【5月21日 AFP】南アフリカ政府は先週、故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領がアパルトヘイト時代に投獄されていた、悪名高いロベン島(Robben Island)の元刑務所の全電力を、太陽光発電による供給に近々移行することを発表した。

 ケープタウン(Cape Town)沖に位置するロベン島は、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている。南アフリカのデレック・ハネコム(Derek Hanekom)観光相が語ったところによると、現在は同国の人気の観光地となっている元刑務所の電力システムの移行は、現在同国で進められている、国立公園や他の世界遺産などにおける太陽光発電移行への計画の一部。

 ロベン島刑務所は、アパルトヘイト時代に当時の政府が、反アパルトヘイト運動の活動家らを投獄していた刑務所で、現在は発電にディーゼルを利用している。ハネコム観光相は、同刑務所が太陽光発電に移行することは、「電力需要を減少させ、効率的で再生可能なエネルギー利用への移行を目指す南アフリカの取り組みにに多大な貢献をもたらす」と語った。

 南アフリカの発電施設は老朽化が進んでおり、増加する電力需要に発電能力が追いつかないことから、定期的に停電が発生しており、同国の経済成長を脅かしている。

 ハネコム観光相によると、昨年、南アフリカの観光産業はGDP(国内総生産)の10%を占め、太陽光発電への移行は同国の観光産業推進を図る1500万ドル(約18億円)をかけた計画の一部であるという。(c)AFP