南米2か国で発生の少女レイプ事件、中絶禁止法めぐる議論加熱
このニュースをシェア
【5月8日 AFP】南米ウルグアイで、レイプ被害を受けて妊娠した学習障害のある11歳の少女が、出産を望む意向を示している。同じ南米のパラグアイでも最近、同様な事件があり、両国では中絶をめぐる激論が巻き起こっている。
少女は妊娠16週で、医師や家族に近い人物によると軽度の知的障害と学習障害があるという。名前は公表されていない。
家族に近い人物が7日、AFPの取材に語ったところによると、少女をレイプしたのは、モンテビデオ(Montevideo)にある家族の家を頻繁に訪れていた、少女と片親の異なる姉妹の祖父(41)だった。当局によると、この男は身柄を拘束されており、強姦(ごうかん)罪で訴追される見通し。
ウルグアイでは2013年、妊娠12週までの中絶と、レイプによる妊娠の場合には14週までの中絶が合法化された。しかし、地元紙が掲載した医師らの報告によると、少女は妊娠と出産の意味を理解していないという。
ウルグアイ青少年協会(INAU)のマリサ・リンドナー(Marisa Lindner)代表は記者会見で「中絶の法的期限は越えているが、妊娠が少女の健康に危険を及ぼすと判断されれば、法的な許可はおりるだろう」と語った。
だが一方、INAUの保健部門責任者は地元紙に対し「少女と胎児に生命の危険はないので中絶は認められない」と述べている。
近隣のパラグアイでは、10歳の少女が義父にレイプされて妊娠した事件が起きたばかり。パラグアイの憲法は、母親の生命に危険がない限り中絶を認めておらず、保健相はこの少女の中絶を認めなかった。(c)AFP