【5月7日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は6日、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のQBトム・ブレイディ(Tom Brady)が、アメリカン・カンファレンス(AFC)決勝で使用されたボールが空気圧の低いものであったことを認識していた可能性があるという調査結果を発表し、米スポーツ界のスター選手のイメージが大打撃を受ける事態に発展している。

「デフレートゲート(deflategate)」と称される疑惑について、NFLの調査団は、45-7でインディアナポリス・コルツ(Indianapolis Colts)に圧勝した試合で、ペイトリオッツの係員がボールの空気圧に細工を加えていた「可能性が高い」と結論づけた。

 調査結果では、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)を下してチームを第49回スーパーボウル(Super Bowl XLIX)制覇に導いたブレイディが、「不正については、少なくとも話の大筋は認識していた」とされている。

 今回の衝撃的な結論を受け、NFLは具体的な処分を明らかしていないが、計243ページに及ぶ報告書では、陰謀を画策したとされる男性2人の名前が明記されている。

 報告書ではまた、ビル・ベリチック(Bill Belichick)ヘッドコーチ(HC)の潔白が証明された。

 スーパーボウル制覇を4度経験し、ブラジル人スーパーモデルのジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)を妻に持つブレイディは、ボールの細工に関与したことを否定。疑惑が浮上した直後には、「ボールには、どのような修正も加えていない」とし、「規則を破ったことはない」と反論していた。

 空気圧が低いボールは握りやすくなり、ペイトリオッツのようなパス攻撃には有利になると考えられている。

 しかし調査結果では、コルツ戦でのブレイディのパフォーマンスが向上したのは、ボールが正しい空気圧に調整された後半とされ、14本中12本のパス成功で合計131ヤードを稼ぎ、2本のタッチダウンを記録している。