【5月4日 AFP】先月25日にネパールを襲ったマグニチュード(M)7.8の大地震により世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)で雪崩が発生し登山者に死者が出たことを受けて、複数の登山会社が3日、当面の間エベレスト登頂を中止する方針を示した。

 地震当時エベレストには約800人の登山者がいたが、地震で誘発された雪崩にベースキャンプがのみ込まれて18人が死亡した。

 首都カトマンズ(Kathmandu)に拠点を置く登山会社アジアン・トレッカーズ(Asian Trekkers)のダワ・スティーブン・シェルパ(Dawa Steven Sherpa)さんは「いまも余震や揺れが続いているので登山を続けるのは無理だ」と語る。「ロープやはしごなど登頂に必須の設備も整っていない…だから今季の登頂継続はあきらめるしかない」

 米国のインターナショナル・マウンテン・ガイズ(International Mountain Guides)やネパールのセブン・サミッツ(Seven Summits)も同様の見解を示している。

 最大手のヒマラヤン・エクスペリエンス(Himalayan Experience)も登頂中止を決定。地震発生時に登山途中だった同社の登山者はみな下山し始めている。再びルートが整備され、必要な設備の準備ができるまで登山は再開しないという。

 ネパールの観光当局は数日前に、エベレスト登山ルートの復旧作業は進んでおり、新たな地震や余震の懸念はあまりないとの見通しを示したうえで、登山を中止しないよう登山者に呼びかけていた。エベレストでは昨年4月にもネパール人登山ガイド16人が死亡する雪崩が発生し、その際も多くの登山客が登頂を断念していた。(c)AFP