【5月4日 AFP】20世紀の偉大なバレエダンサーの一人で、その魅力的なパフォーマンスと美しさで世界を魅了したロシアのマイヤ・プリセツカヤ(Maya Plisetskaya)さんが2日、心臓発作のため滞在先のドイツ・ミュンヘン(Munich)で死去した。89歳だった。プリセツカヤさん死去の報道に、ロシアは悲しみに包まれた。

 所属していたボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)では同日、バレエ公演「椿姫(Lady of the Camellias)」開演時に、ダンサーや観客らが黙とうをささげた。また、世界中の有名バレエダンサーやバレエファンからは追悼の言葉が寄せらており、伝説的なバレエダンサーであるミハイル・バリシニコフ(Mikhail Baryshnikov)氏は「われわれの時代における最も偉大なダンサーの一人」と述べた。

 代表的な作品には「カルメン(Carmen)」、「アンナ・カレーニナ(Anna Karenina)」、「眠れる森の美女(Sleeping Beauty)」などがある。また妖艶な演目「ボレロ(Bolero)」を踊ったのは50歳の時だった。

 プリセツカヤさんの代名詞ともなった「瀕死の白鳥(Dying Swan)」では、その柔らかい腕の使い方が高く評価された。

 ボリショイ劇場総支配人のウラジーミル・ウリン(Vladimir Urin)氏がロシア人記者に語ったところによると、プリセツカヤさんは火葬およびロシアでの散骨を希望していたという。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO