【5月1日 AFP】米国防総省は4月30日、米海軍が中東のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)を航行する米商船の護衛を開始したと発表した。同海峡で今週マーシャル諸島船籍の貨物船がイランに拿捕(だほ)されたことを受けての措置。

 近くの海域に展開する米海軍艦艇が米商船と連絡を取り合いながら護衛に当たるが、本格的な護衛ではなく、必ずしも目視できる距離で並走航行するとは限らないという。

 先月28日にはイラン巡視船がマーシャル諸島船籍の貨物船「マースク・チグリス(Maersk Tigris)」に警告射撃を行って拿捕し、同船をイラン領のララック島(Larak Island)に連行した。さらに先週にも、ペルシャ湾で米国船籍の商船がイラン艦隊から「嫌がらせ」を受けていたことから、米政府はイランに対し航行の自由の確保と海洋法の順守を求めていた。

 これに対しイラン側は、この貨物船をチャーターしたデンマーク海運大手マースク・グループとの商事紛争を受けて拿捕に踏み切ったとしている。

 ホルムズ海峡は海上輸送路の要衝で、海上輸送される石油の約30%、1日当たり約1700万バレルが通過している。(c)AFP