【4月30日 AFP】ネパールで発生した大地震の被災者に対する支援の調整を行っている国連(UN)は30日、被災地の中には救援物資を届けるのに徒歩で5日かかる場所もあるとして、懸念を表明した。国連はネパール地震の被災者支援として、国際社会に4億1500万ドル(約493億円)の資金拠出を求めている。

 ネパール当局の公式発表によると、地震による死者数は30日までに国内で5489人に達し、負傷者は1万人を超えた。しかし、地方部の被害の規模はいまだ正確には把握されていない。

 国連は、被災地が非常に広範囲にわたり、道路が整備されていないことなどから、遠方の被災地に到達するのは困難になると述べている。国連は、被災地の一部は徒歩でしかたどり着くことができず、到着までに4~5日かかる地域もあると指摘。捜索・救助隊の輸送に使用できる燃料が限られていることも明らかにした。

 首都カトマンズ(Kathmandu)では、配給用のボトル入りの飲料水を略奪するなどした被災者たちと、動員されていた機動隊との衝突が発生し、ネパール政府は、被災状況の規模に圧倒されていることを認めている。(c)AFP/Paavan MATHEMA