【4月29日 AFP】訪米中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相を招いて28日にホワイトハウス(White House)で開かれた公式夕食会では、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が詠んだ俳句とレッドカーペット、そして「刺身サラダ」が安倍首相を待っていた。

 オバマ大統領は、ハワイ(Hawaii)で過ごした子ども時代を振り返り「日本の文化は私の生い立ちに織り込まれている」と述べ、「Spring, green and friendship / United States and Japan / Harmonious feeling」(春、緑と友情、米国と日本、和やかに)と詠んだ俳句を披露した。大統領は「和やかに」の部分はまず日本語で、次に英語で披露した。

 オバマ大統領が就任後に開いた公式夕食会は今回を含め8回しかない。夕食会の乾杯には安倍首相の地元・山口県の日本酒「獺祭23(Dassai 23)」が使われた。またミシェル・オバマ(Michelle Obama)大統領夫人は、日本生まれのデザイナー、タダシ・ショージ(Tadashi Shoji)氏がデザインした紫色のガウンを羽織っていた。

 しかし、座の盛り上げ役をさらったのは安倍首相のスピーチだった。まず、29日に日本の首相として初めて行う米上下両院合同会議での演説を前に練習をしているエピソードを披露。「演説の練習を部屋でしていたのですが、妻は聞き飽きたと言って、昨日は別々に寝ることになりました」と語ると笑いが起こった。米国の政界を舞台にした米テレビドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段(House of Cards)」の「ハードコア」ファンだと語るとまた笑いが起き、しかし政治家たちの激烈な競争を描いたこのドラマを閣僚たちに見せることはないと言うと、笑いは頂点に達した。