【4月28日 AFP】25日にネパールで発生したマグニチュード(M)7.8の地震で、首都カトマンズ(Kathmandu)の地盤が南方へ最大数メートル移動したことがわかった。専門家らが28日、語った。一方、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の高さは変わっていないようだという。

 英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の構造地質学専門家、ジェームズ・ジャクソン(James Jackson)氏によれば、地震後の音波探査から得られたデータを分析して、カトマンズの地下の地盤は南方へ約3メートル移動したという。

 豪アデレード大学(University of Adelaide)物理科学部のサンディ・ステーシー(Sandy Steacy)氏も同様の分析を行った上で「地震は、北へ向かって移動しているインド亜大陸とユーラシア大陸を分かつプレート境界であるヒマラヤ・スラスト(Himalayan Thrust)という衝上(しょうじょう)断層で起きたとみられる」と述べた。

 カトマンズが移動した一方で、エベレストは断層線上に位置していないことから、エベレストの高さが数ミリ以上変化したとは考えにくいという。

 過去80年間のネパールで最大の災害となった今回の地震で、これまでに確認された死者の数は4300人を超えた。多くの人が避難し、深刻な被害が出ている。(c)AFP