【4月28日 AFP】先週に2度発生したチリ南部カルブコ(Calbuco)火山の噴火が、同国の観光と農業の中心地であるロスラゴス(Los Lagos)州に最大で6億ドル(約715億円)の経済損失をもたらす見通しであることが分かった。地元財界首脳が明らかにした。

 同州では約2億1000万立方メートルの火山灰が降ったとみられており、川や湖の他、広範な草原地帯が汚染され、当局は除去作業に追われている。火山に近いプエルトバラス(Puerto Varas)商工会議所のエミル・ハドゥエ(Emir Jadue)会頭は、農地も広く堆積物に覆われていることから「農業と畜産業への被害が最も大きいだろう」と指摘。「ロスラゴス州の経済規模は20億ドル(約2380億円)ほどだが、今回の噴火によりうち最大で約30%が失われるとみている」と話した。

 同州では国内全体の約3割にあたる100万頭以上の牛が飼育されており、牛乳の生産量の約5割を賄っている。また、世界第2位の規模を誇るサケの養殖業にも被害が予想される。養殖業者は同州に最も集中しており、多くが水源を火山灰で汚染されている。(c)AFP