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T・レックスに草食性の近縁種か、「奇妙な」姿に謎深まる

2015年4月28日 9:31 発信地:パリ/フランス

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T・レックスに草食性の近縁種か、「奇妙な」姿に謎深まる
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チレサウルス・ディエゴスアレシの想像図。英科学誌ネイチャー公開(2015年4月27日公開)。(c)AFP/NATURE/GABRIEL LIO

【4月28日 AFP】最も恐ろしい肉食動物の一種と考えられているティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)だが、その近縁種には、小さな頭部に長い首と短く太い指といった奇妙な外見をした草食性の恐竜がいたとの研究報告が27日、発表された。この恐竜の体の構造については謎が多く、研究チームは戸惑いを隠せないようだ。

「チレサウルス・ディエゴスアレシ」と命名されたこの新種の恐竜は、鳥に似たくちばしと木の葉の形をした歯を持っていた。これらは草食性を示す証拠とされている。だが、後肢の特徴が獣脚類の恐竜に似ているため、T・レックス、ベロキラプトル、角のあるカルノタウルスなどのよく知られた凶暴な肉食恐竜と同じ獣脚類に分類された。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文の共同執筆者で、アルゼンチン国立自然史博物館(Argentine Museum of Natural Science Bernardino Rivadavia)のフェルナンド・ノバス(Fernando Novas)氏は、AFPの取材に「チレサウルスは、これまでに発見された最も風変わりな恐竜の一種」と述べ、「当初は3種類の異なる恐竜の骨と思っていたが、後に骨格が明確になると、すべての要素が単一の恐竜種に関連するものであることがわかった」と説明した。

 この奇妙な恐竜の名前は、化石化した骨の発見場所である南米チリの国名と、2004年に最初の骨を発見した、当時7歳の少年ディエゴ・スアレス(Diego Suarez)さんにちなんで命名された。ディエゴさんは地質学者の両親とともにアンデス(Andes)山脈を訪れていた。チレサウルスの化石標本は、これまでに10個以上発掘されている。

 T・レックスなどの獣脚類恐竜にみられる傾向は、比較的短い首と大きな頭部、前肢よりはるかに大きく筋肉質の後肢、そして恐ろしい威力のかぎ爪とカミソリのように鋭い歯が並ぶ強力な顎だ。だがこれらに比べると、チレサウルスの外見は全体的に脅威度が低い。

■「ジグソーパズル」恐竜

 これまでに発見されている骨格化石の大半はシチメンチョウほどの大きさだが、成長するとその体長は約3メートルに達した可能性がある。見つかった骨の化石を調査し判明したという。

 ノバス氏と研究チームは、チレサウルスをカモノハシになぞらえている。カモに似たくちばし、ビーバーに似た尾、カワウソに似た足を持つカモノハシは、多くの異なる動物の特徴を併せ持っているためだ。

「われわれは、チレサウルスの奇妙な体の構造に困惑している。その特徴は、複数の異なる恐竜の分類グループを思い起こさせる」とノバス氏は話す。

 チレサウルスの骨盤は、ステゴサウルスなどのくちばしを持つ鳥盤類の恐竜のものに似ており、また4本指の幅広の後ろ足は、ブロントサウルスなどの巨大な竜脚類の後ろ足に似ている。

 だが研究チームは、チレサウルスは獣脚類の新種と考えている。ノバス氏によると「この進化のジグソーパズルは、古生物学者らの間に議論を巻き起こすに違いない」という。

 研究チームによると、草食性獣脚類の存在はこれまで、現代の鳥類に近い恐竜の近縁種でのみ知られていたという。だがチレサウルスの発見により、肉を食べない食性は、これまで考えられていたよりはるか以前に獲得されたことが明らかになった。

 チレサウルスは、約7000~6500万年前の白亜紀末に地上を支配していたT・レックスが登場するはるか以前、約1億4500万年前のジュラ紀末期に生息していた。(c)AFP/Mariette LE ROUX

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