【4月26日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は25日、昨年発生したホワイトハウス(White House)の非機密ネットワークへのサイバー攻撃で、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が送受信した電子メールがロシアのハッカーに読まれていたことが分かったと伝えた。

 ホワイトハウスへのサイバー攻撃にロシアが関与していたとの報道を受けて米政府は今月に入り、サイバー攻撃を昨年受けた事実は認めていたが、この報道の真偽については確認していなかった。

 しかし同紙は、このサイバー攻撃に関する調査状況について説明した米政府高官の言葉を引用して、コンピューターシステムへの侵入は公表されているよりも「相当深刻で、憂慮すべきものだった」とするとともに、ハッカーらがロシア政府と関連している可能性、または同政府に雇われている可能性もあると伝えた。

 ハッカーらは米国務省の非機密システムにも侵入したほか、ホワイトハウスの内部職員、ひいてはオバマ大統領が日常的にやりとりしていた外部の人物の電子メールのアーカイブにもアクセスできるようになっていた。米政府関係者によれば、ハッカーらはこうした外部の人たちのアカウントを通じて、オバマ大統領が送受信したメールを手に入れていたとみられる。

 同紙によれば、ハッカーらが読んだオバマ大統領のメールの本数は分かっていないが、大統領のアカウントそのものがハッキングの被害に遭った形跡はないという。

 オバマ大統領への機密情報の報告は、その大半がホワイトハウス内の大統領執務室か危機管理室の中で、口頭または文書によって行われていると、同紙は伝えている。(c)AFP