【4月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)は26日、タイトル決定戦とされるチェルシー(Chelsea)との一戦をホームで迎える。しかし、実際のところその話は翌シーズン以降のものとなりそうだ。

 アーセナルは、今年に入り11勝2敗と欧州5大リーグの中で2015年に1試合平均で最多となる勝ち点を挙げているが、それでも首位に立つチェルシーに勝ち点10差をつけられている。

 チェルシーはアーセナルを下し、29日のレスター・シティ(Leicester City)戦に勝利すれば優勝となる。26日の試合で敗れても、これがアーセナルの反乱のきっかけとなる可能性もあるとはいえ、チェルシーにとっては戴冠式のタイミングがずれるにすぎない。

 アーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督のアーセナルとジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督のチェルシーの対戦は、長らくその信条をぶつけ合う一戦となっている。

 ベンゲル監督はスタイルにこだわったロマンチストで、一方のモウリーニョ監督は客観的な現実主義者だ。

 世界中のクラブがFCバルセロナ(FC Barcelona)やスペイン代表の「ティキ・タカ(Tiki Taka)」といった支配率を高めるサッカーを目指す中、ベンゲル監督はこれに勇気づけられてより小柄で技術のあるMFを先発メンバーに詰め込んでいるが、モウリーニョ監督はカウンターアタックへの信念を曲げることはしない。

 前節のチェルシーはマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦でボール支配率30パーセントにとどまったもののこの試合に1-0で勝利しており、この原理がはっきりとみてとれた。さらには昨年10月のアーセナル戦でもチェルシーは支配率で劣り、ゴールの枠をとらえたシュートは相手の10本に対して5本だったものの、2-0で勝利を飾っている。

 その日、ベンゲル監督はモウリーニョ監督の挑発に乗り、タッチライン際で衝突した際にモウリーニョ監督の胸を小突いた。しかし、モウリーニョ監督がこのフランス人指揮官を激怒させたのはこのときだけではなかった。

 24日に行われた会見でモウリーニョ監督は、ベンゲル監督を「ライバルではない」とし、「彼は、私が指揮を執る同じ都市にある一ビッグクラブの監督だ。同じ目標を持つとあるビッグクラブのね」とコメント。

 この一言は、両者の冷ややかな関係から目をそらさせるためのものだったとみられているが、ベンゲル監督は12回の直接対決で一度もモウリーニョ監督から勝利を挙げることができておらず、両指揮官がともにイングランドで指揮を執る間に獲得したトロフィーの数は、モウリーニョ監督の6つに対してベンゲル監督は2つにとどまっており、ポルトガル人指揮官は事実を述べることを意図していたのかもしれない。