【4月23日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は22日、世界の子どもの5人に1人が、命を守るための定期的な予防接種を受けておらず、世界での予防接種を徹底する努力が「目標達成にはほど遠い」状況であると発表した。

 WHOによると、2013年にジフテリア、百日咳、破傷風の定期的な予防接種を受けられなかった幼児は2200万人近くいた。その多くは貧困国に住んでおり、うちほぼ半分がインド、パキスタン、ナイジェリアの3か国の子どもたちだった。

 WHOの予防接種部門を率いるジャンマリー・オクウォブレ(Jean-Marie Okwo-Bele)氏は、これは重大な問題だと強調。ワクチンで予防可能な疾患で死亡する人はいまだに毎年150万人に上ると指摘した。

 世界の予防接種率はここ数十年間に大幅に向上しており、1970年代半ばに一部の国でわずか5%だったのが、2013年には世界平均で84%に上昇している。さらに129か国での予防接種率は90%を超えており、ワクチンによって毎年300万人の命が救われていると推定されている。

 WHOの発表は24日から始まる「世界予防接種週間」に先駆けて行われた。(c)AFP