【4月21日 AFP】米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官が米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)への寄稿で、ポーランドはナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の責任を共有するとの見解を示唆したことをめぐり、米当局は20日、ポーランド政府の反発を鎮めるために対応に追われた。

 米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、コミー長官は「ポーランドがホロコーストについて何らかの責任があると意味するようなつもりはなかった。この点は今日明確にしておきたい」と同長官を擁護した。ただし、同長官が謝罪するかとの質問については答えを避けた。

 コミー長官は16日付のワシントン・ポストへの寄稿で「ドイツ、ポーランド、ハンガリー、そして多くの他の場所の殺人者や共犯者の意識に、邪悪な行いだという思いはなかった」と書いた。

 同長官の見解に対し、ポーランドのブロニスワフ・コモロフスキ(Bronislaw Komorowski)大統領は、ポーランドに対する「侮辱」だと述べ、ポーランド政府は怒りをあらわにし、19日、スティーブン・マル(Stephen Mull)米国大使を外務省へ呼び、説明を求めた。(c)AFP