【4月21日 AFP】イラン当局に昨年7月から身柄を拘束されている米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のテヘラン(Tehran)特派員、ジェーソン・レザイアン(Jason Rezaian)氏(39)が、スパイ罪と「敵対政府への協力」などの罪で裁判にかけられることが20日、分かった。米ホワイトハウス(White House)とポスト紙は「ばかげた決定」だと非難している。

 米国籍とイラン国籍を持つレザイアン氏は昨年7月22日、イラン人でジャーナリストの妻と共にイラン当局に身柄を拘束された。妻は2か月半後に保釈されたが、レザイアン氏は9か月経った今もテヘランで拘束されたままで、イラン核開発問題をめぐって同国と主要国が協議を続ける中で政治的な懸念材料となっている。

 容疑はこれまで非公開だったが、レザイアン氏の弁護士は20日、AFPに対し電話で、秘密情報活動と敵対政府への協力、機密情報の収集、反イラン・プロパガンダ活動の計4つの罪状で裁判にかけられると語った。

 この弁護士は訴訟に関する全資料を入手したが、「(罪状を)正当化できる証拠はなかった」という。また、初期捜査終了後も拘束を続ける法的根拠も見つからないが、これまで保釈請求は全て却下されているという。

 裁判の日程は未定だが、国家安全保障に対する犯罪を取り扱う革命裁判所で行われ、審理は非公開の見通し。

 イランと主要国は今月2日、12年に及ぶイラン核開発問題の最終的な解決に向けた枠組みで合意。6月末までに最終合意をまとめることを決めている。(c)AFP