【4月21日 AFP】(一部更新)スペイン・バルセロナ(Barcelona)の中学校で20日、クロスボウと刃物を持った男子生徒(13)が教師1人を殺害し、4人を負傷させる事件があった。少年は現場で体育教師に取り押さえられた。地元警察と目撃者が明らかにした。

 事件が起きたのは、生徒約500人と教師40人が通うジョアン・フステル(Joan Fuster)中学校。授業開始直後だった校内はパニックに陥った。同校に通うマリア・カミラ・オスピナさん(13)はAFPに対し「別の教室から悲鳴が聞こえてきて、先生が廊下に出た。すごく大きな音が聞こえて、廊下を見ると、先生が倒れていた。私たちが机や椅子の後ろに隠れると、男子生徒が教室に入ってきて、クラスメートの一人を見つけると、彼の胸を刺して、また廊下に出て行った」と語った。

 オスピナさんは、男子生徒がクロスボウと刃物を持っていたと証言。生徒たちはその後、教室のドアを机や椅子でふさぎ、男子生徒が遠くに行ったことが分かると、校庭へと逃げ出した。

 警察は教師殺害に使われた凶器の種類を明らかにしていないが、捜査関係筋は男子生徒が刃物とクロスボウを持っていたことを認めた。警察によると、負傷したのは教師2人と生徒2人で、いずれも命に別条はないという。

 男子生徒の動機は明らかになっていない。事件が起きた20日は、1999年に米国のコロンバイン高校(Columbine High School)で生徒2人が教師1人と他の生徒12人を殺害し自殺した銃乱射事件からちょうど16年に当たる日だった。

 地元教育当局は、男子生徒が精神に問題を抱えていた可能性があると発表している。また地元メディアによると、男子生徒は先週、教師全員を殺すといった発言をしていたが、クラスメートは冗談だと思い取り合わなかったという。オスピナさんは男子生徒がこのような事件を起こすとは思いもよらなかったとした上で、「唯一変わった点は、軍隊や武器に関することが好きで、学校にミリタリーパンツをはいてきたこともあった」と語った。(c)AFP/Dani Bosque