【4月20日 AFP】大西洋を横断した仏軍人ラファイエット(La Fayette)を乗せた当時の帆船のレプリカが18日、仏南西部にあるエクス島(Ile d'Aix)の港から米東海岸に向けて出航した。雨のなかの出航式は、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領など数千人が見守るなかで行われた。

 細部にわたり復元された木造のフリゲート艦「エルミオーヌ(Hermione)」号は、米仏両国の国旗を掲げ、グリニッジ標準時(GMT)同日午後8時45分(日本時間19日午前5時45分)に最初の寄港地スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)へと向かった。235年前のラファイエットの足跡をたどる約1万3000キロの旅の始まりだ。

 1778年に建造されたエルミオーヌ号は、わずか半年で完成した。一方、世界中の専門家が携わった復元船の工期は17年とそれを大幅に上回った。18世紀の造船技術で船の復元を目指すというこの難しいプロジェクトについては、約20年前に歴史や船の愛好家らが発案したものだ。

 3本のマストを持つ全長65メートルの復元船は、船員約80人とともに大西洋横断を目指し、6月5日にはバージニア(Virginia)州ヨークタウン(Yorktown)に入港する予定。ヨークタウンは1781年の戦いで、ジョージ・ワシントン(George Washington)率いる部隊にラファイエットが加わり、英国軍に対して決定的な勝利を収めた場所だ。

 復元船はその他、ボストン(Boston)や、フィラデルフィア(Philadelphia)、ボルティモア(Baltimore)など10か所以上に寄港する。7月4日の米国の独立記念日には、ニューヨーク港(New York Harbor)に入港することになっている。(c)AFP/Regine Lamothe